『2030年には、全世界の雇用の半分である20億人の雇用が消えるだろう。』これは世界屈指の未来学者、トーマス・フレイ氏の発言です。ロボットや人工知能が、人間の仕事のうちおよそ半数を代替するようになると指摘。もし現実となれば、いま横に座っている同僚もしくはあなた、どちらかは現在の職を失っている可能性も。

あなたは現在、どのような仕事をしていますか。来たる「ロボット社会」に向けどんな備えをするべきか、この機会に見つめなおしてみてはいかがでしょうか。

 1.なくなる可能性が高い仕事がある

90%以上の確率で「なくなる仕事」

3ans_1

タクシー・トラック運転手、ネイリスト、銀行の融資担当者、弁護士助手。これらは、オックスフォード大学で人工知能などの研究を行うマイケル・A・オズボーン准教授により発表された論文『雇用の未来—コンピューター化によって仕事は失われるのか』の中で、コンピューターに代替される確率が90%以上としてあげられている職業です。手先の器用さ、芸術的な能力、交渉力、説得力など、コンピューター化の障壁となりうる9つの仕事特性を基に、各仕事のスキルを機械がどれだけ自動化できるのか、702の職種を評価されています。そのほか現在すでにコンピューターに置き換わりつつあるものの、そして今後確実に置き換わるといわれている仕事のほんの一部をご紹介します。

・顧客それぞれのユニークな質問に最適な返答を行えるコールセンター業務

・道路の渋滞状況などを見極め、最適な通行ルートを判断する自動車運転

・プレスリリースや決算資料を分析し、大量のデータを基にした迅速な投資判断

・ウェブ上に顧客が情報を入力するだけで、それぞれにあった資産運用アドバイスの提示

・個々の学生に応じた講習や評価をし、卒業後の就職適性の診断

 

より複雑な作業を担うロボット

これまでロボットはルーチン作業しかできず、サービス業など「ヒト対ヒトのコミュニケーション」が必要な業種の機械化は難しいとされてきました。そのため、ウェイターやウェイトレスの仕事は機械に奪われないと言われていました。しかし、いまではタブレット端末で注文できるレストランの数が増加。今後、受付業務や秘書業務をはじめ、調理、医療、清掃、高齢者介護などのサービス産業で、ロボットがより複雑な作業を担うことになるでしょう。コンピューターが完全に人間の知性を手に入れるのに要する期間は少なくともあと50年。その過程において、人間が行うほぼ全ての「物理的な仕事」がロボットに代替されるといわれています。

3ans_3

2.高次元でクリエイティブなスキルが必要に

新しく生まれる仕事も

ロボットに仕事を奪われた人は仕事ができなくなってしまうのでしょうか。いいえ、決してそういうわけではありません。産業の発展や技術の進歩によりそれまで存在していなかった仕事が生まれています。例えば、自動車の誕生により、現在では自動車整備やガソリンスタンド、カーデザインなど自動車関連の職業は非常に豊富。それと同様に、ロボットや技術の発展により下記のような新しく生まれる仕事もあります。

・3Dプリンターの設計、エンジニアリング、製造

・3Dプリンターの修理工

・小型の発電装置生産

・ロボットエンジニア

・ロボットのセラピスト

・自動化された交通システムのデザイナー

精神的・知的なものとは

 

かつて手作業で行っていた洗濯や炊事は、洗濯機や炊飯器の登場によりボタン一つで完了。そして人間はその余った時間を使い、新しい技術や知恵が創造し発展を遂げてきました。一方、機械は自身の余った時間を使い「絵を描こう」、「何か新しいものを作ろう」とは考えません。実際に、先述した論文の中でロボットの代替確率が低いと挙げられている職業は画家・彫刻家、カメラマン、作家、指揮・作曲家、漫画家、舞踊・振付師、歌手など、感性に基づいた芸術関連が主となっています。

つまり、「ルーチンな労働・肉体的な労働」は機械が担い、私たち人間はロボットが代替できないような「精神的・知的な仕事」「高次元でクリエイティブな仕事」に集中していくようになります。

3ans_2

3.常に先を見ながら、常に考えながら働こう

今働いている私たちが考えるべきことは?

仕事の「クリエイティブ化」は、裏を返せば「高次元でクリエイティブなスキル」を身につけられなければ、失業者に転落するリスクが大きいということ。実際に中国では、すでに人間の労働者を代替する精密なロボットが稼働しており、数千もの人が職を失っています。業界を問わず、このようなことが頻繁に起こってくることを考えると、これからは特定の職業や会社が安定・不安定という考え方はますます通用しなくなるでしょう。職の安定自体を考えない方がいいという見方も。

最大の安定とは

もしあなたが、自身の仕事に危機感を感じ、何かに備えるのであれば、自分でビジネスをつくれる状態が圧倒的に有利です。「クリエイティブ」とは音楽や絵画など芸術分野のみを指しているわけではありません。

「クリエイティブ」=「自分の力で世の中に価値を生み出すこと」

例えば、新規事業をつくって利益を出してくれる人は会社にとって必要な人材になります。これから私たちに求められるものは時代がどんなに変わったとしても、自分の力でどんな価値を人に与えられるか?というスキル。ロボット社会における最大の安定とは「自分がいつでも価値を与えられる人間でいること」です。

まとめ

これからロボットがより高性能化してくることを考えると、それに怯えるだけではなんの解決にもつながりません。あなたは現在自分の仕事やスキルで社会に価値を与えることができているでしょうか。また、これから先、どのようなスキルを習得すれば、価値を見出せるかを一度考えてみてはいかがでしょうか。

保存