スーパーコンピュータ(スパコン)は、計算処理能力の非常に高いコンピュータ。その時代の一般的なコンピュータでは解くことが困難な大規模で高度な計算を処理することができます。その処理能力の高さは1秒に1京回の計算が可能なまでに。例えるならば地球上の70億人が電卓を持ち、24時間不眠不休で1秒間に1回のペースで計算を続け、約17日間かけてようやく終わる膨大な計算量をたった「1秒」で行ってしまいます。

 

コンピュータシミュレーション

スーパーコンピュータが得意とする計算の一つ「コンピュータシミュレーション」。コンピュータ上に、仮想となるモデルを組み立て、様々な条件のもとで膨大な計算を行うことで、その過程・効果の観察ができるように。コンピュータシミュレーションを用いれば、「規模が大きすぎる」、「危険が伴う」、「地球上では条件が整わない」など実際に実験を行うことが難しい状況下でも、コンピュータ上に再現し、検証することが可能になります。高速なコンピュータシミュレーションには、これまで解決できなかった複雑で高度な課題に対して、科学的解明の期待が寄せられているものが非常に多くあります。

 

コンピュータシミュレーションが身近に使われているものの一つに自動車の開発・設計があります。自動車の開発の現場では、もし衝突事故を起こした場合を想定して、乗車する人のダメージを最小限に抑える設計が常に求められています。スパコンを用いてシミュレーションすることで、解析にかかる時間や実際の自動車やダミー人形のコストが最小限で抑えられるように。今まで解析が難しかった情報についても様々な角度から分析できるようになり、より安全な自動車の設計・開発が可能になります。

 

スパコンの性能=国力の時代へ

国の技術水準の牽引役でもあるスパコン。科学技術の発展に伴い、多くの課題が解決されている一方で、まだ解決されていない問題も多くあります。人やモノを輸送では、「より速く、より遠く」、そして「より静かに、より省エネ」が求められます。また、10年後、100年後の地球温暖化の予測と解決策が求められる一方で、30分後、1時間後の雲の動き、天気を正確に予想することが求められています。

 

世界中がスーパーコンピュータの性能を競うようになっています。より速いスーパーコンピュータを開発することで、より速く・より広い分野で研究を進めることができるように。また、スーパーコンピュータの研究・開発を通じて、それに携わる産業全体の技術力向上に繋がります。そして、超高性能のスーパーコンピュータを開発・活用すると、超一流の科学者が集い、最先端の研究を進める環境も整備されます。スパコンの開発は、国の最先端の研究水準を引っ張り、産業へ応用されることで国際競争力を高める重要な役割も担っています。