人工知能には以下のような分類の仕方があります。

 

  1. 特化型人工知能(Narrow AI)
  2. 汎用人工知能(Artificial General Intelligence)

 

現存する人工知能は全て特化型人工知能であり、本来の意味での汎用人工知能の登場はまだしばらく先となると考えられています。

 

特化型人工知能は文字通り何かに特化しており、

  • 囲碁対局AI
  • 自動運転AI
  • 画像識別AI

のように特化した領域においては驚くべきパフォーマンスを発揮します。

 

最近では、「複数領域にまたがって使用可能な特化型人工知能」に汎用人工知能の名前を冠する例が増えており、混乱を招いてしまう事が懸念されています。

 

汎用(はんよう)とは「様々な用途や分野に用いることができるさま」を意味する言葉ですので、言葉の意味として誤っている訳ではありませんが、人工知能の分野において本来意味される汎用人工知能とは異なります。

 

本来の汎用人工知能が指す汎用性としては生命のイメージが近いでしょう。

 

生命は地球という複雑な環境において、姿形を様々に変え、多様な生存戦略を採りながら、高度な振る舞いを獲得してきました。

 

それに対し、現存する「特化型人工知能」を搭載したロボットを自由に走らせ続けたとしても、(たとえ40億年の時を経ても)生命のような発展は期待できません。

 

「現存する人工知能」が生命のように振る舞えない理由として挙げられるのが、停止性問題フレーム問題シンボルグラウンディング問題などです。

これらは人工知能が汎用性を獲得する上での決定的な壁となっており、問題の解決にはディープラーニング級のブレークスルー(技術革新)がいくつも必要となると考えられています。

 

汎用人工知能の完成は、多くの人工知能開発者の夢でもあり、AlphaGoを開発したDeepMind(ディープマインド)も初期から汎用人工知能の完成を目標に掲げています。

 

汎用人工知能の開発アプローチとしては、大きく二つあり「生命の仕組み(脳など)を解明する事で達成しようという方向性」と、「生命系の解明にはこだわらない方向性」があります。

 

現時点ではどちらのアプローチが正解であるかの判断は出来ませんし、双方のアプローチを融合させるのが正しいという事も十分有り得るでしょう。

実際、ディープラーニングも「神経回路を模したニューラルネットワーク」と「webテクノロジーの成果物ビッグデータ」の融合により誕生しました。

 

また、汎用人工知能の実現はシンギュラリティ(技術的特異点)を意味するとされ、人類の在り方が根本から変わるとも考えられています。